チッチは悲しくて泣く時、声を出さずにシクシク泣く。
お昼ご飯を食べながらそんな話をしていたら「チッチ、きょう泣いたんだ」という。
え?いつ?
「みんながあそんでるとき、しらない?」
うん、しらない。なんで泣いたの?
「だって、せんせいがいっぱいのおともだちのところにいくんだもの」
先生にお話したかったけど、来てくれなかったの?
「うん」
先生は何をしていたの?
「おともだちのところにいくんだ」
チッチは先生を呼んだの?
「うん」
うーむ…。ここは濁してはいけない気がする。これまでにも何度か話していることを繰り返し伝える。
チッチ、幼稚園はお友達がたくさんいて先生は少ししかいないんだ。
だから先生はとってもいそがしくてチッチのところに来れないの。
本当に困った時には大きな声で「たすけてー!」って言うんだよ。
「無言」
近頃熱心に読んでいる「よるのどうぶつえん」の言葉をなぞって気持ちを説明してくる。
「おかあさんとはぐれてちまったから、たみちいの」
がんばれチッチ。
がんばらせる必要があるのか、母にも迷いがあるけれど、がんばれチッチ。
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